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Goin' at Field! フィールドへ出よう!『湖の十字路』からフィールドへ |
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専門学芸員(考古学) ■ 用田 政晴 |
2002年春の琵琶湖博物館ギャラリー展は、近江最大の河川・野洲川下流部に展開した弥生時代・古墳時代の約1000年間の文化を紹介し、『湖の十字路』と題をつけました。草津市・守山市・栗東市・中主町・野洲町各教育委員会と共に企画・開催したものです。
ここ10年間に行われた発掘調査の成果を紹介するこの催しは、弥生時代から古墳時代にかけて、この地域にはのちの近江国の母胎となる権力が育ちつつあったことを6つのテーマに分けて展示しています。
でもこれらの展示は、原始・古代の様子の一部です。遺物を見ることはできますが、古墳や建物などの遺構は写真や図面でしか見ることができません。実はこの展示をきっかけに、現地へ皆さんをお誘いしたいのです。
発掘調査が行われると現地説明会がよく開かれます。これは生の歴史に触れられます。遺構だけではなく遺物も紹介され、質問もできます。
円形にめぐる神殿が発見されたと昨年の12月に発表された守山市伊勢遺跡での現地説明会には、私は仕事の都合で参加できず、数日後に行ったときには埋め戻されていました。でもその作業にあたっていた重機の運転手さんにお話をすると、現地説明会の資料と共に簡単な説明もして頂きました。どこかで発掘しているのを見かけたら、作業中でもかまいません。誰かに是非、声をかけて下さい。きっと親切に説明してくれます。
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▲桜生史跡公園(野洲町) | ▲桜生史跡公園の中心・大岩山古墳群(『桜生史跡公園』より) |
昨年の11月に、野洲町小篠原に桜生史跡公園がオープンしました。国指定史跡の円山古墳・甲山古墳・天王山古墳が整備され、遠く阿蘇から運ばれた巨大な石棺も解説アナウンス付きで見ることができます。それを運んだ権力者にも感心することでしょう。
栗東市下戸山では和田古墳群が現地で保存され、和田古墳公園として整備されています。6世紀に朝鮮半島のスタイルで築かれた古墳と共に、隣の栗東市出土文化財センターでは出土品を見ることができます。
また、草津市野路東の立命館大学では、古代の製鉄炉跡を陸上競技グランドの地下で、梵鐘鋳造遺構をコアステーションのロビーで見学できます。大学に電話で申し込んで下さい。これらの見学はすべて無料です。
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▲和田古墳群(『和田古墳群の発掘調査』より) | ▲和田古墳公園(栗東市) |
その他、周辺には銅鐸博物館(野洲町辻町)、栗東歴史民俗博物館(栗東市小野)、守山市立埋蔵文化財センター(守山市服部町)があり、瀬田の文化ゾーンには滋賀県埋蔵文化財センター(大津市南大萱町)もあります。特に夏や秋にはいろんな行事も開かれています。琵琶湖博物館ももちろんですが、これらの施設も是非訪ねてみて下さい。
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