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 琵琶湖博物館では、建物がまだ何もできていない準備室の時代から、地域の人びとといっしょに身の回りの自然やくらしに目を向ける機会をつくってきました。「身近な自然の観察会」「ミクロな生き物観察会」「琵琶湖の歴史見学会」「地球回転を体で感じてみよう」「ホタルのお宿」「ゾウのいた河原」「琵琶湖の魚は何を食べているか」など、今までに50回ほど、のべ1,200人を超える参加者がありました。

観察会「琵琶湖の貝を調べてみよう」

 開館前最後となったのが、夏休み最後の日曜日に開かれた琵琶湖の貝についての観察会でした。この時のようすを少し紹介しましょう。

 参加者は、抽選で選ばれた赤ちゃんを連れた家族連れや貝に詳しい専門家など、老若男女さまざまな50名。まずは長靴やサンダルをはいて、博物館そばの湖岸で貝拾い。石の下やヨシの根もとを探ってみると、思いのほかたくさんの貝を見つけることができました。その後、新しい館内の実習室で、大きな画面に映し出された写真と講師の説明を聞きながら、持ち帰った貝を一つひとつ観察していきました。



参加者へのアンケート「何か一言」から

 「おとうさんがおさかなとったり、おおきなかいをとってきてとってもたのしかった」「貝の名前がわかったです。ありがとう」「身近な琵琶湖にこれほど多くの貝が生息しているとは思いませんでした」「湖岸で何気なく拾っていた貝の名前が少しわかってきました」「新しい琵琶湖を見た気がします」

 みなさんは琵琶湖に何種類の貝が生息しているか知っていますか。なんと50種以上もいるのです。こうした貝の生活のようすと、人びとのくらしとの関わりについての説明に耳を傾け、参加した人はみなそれぞれ何かの発見をおみやげに家路についたようです。


 発見するのは参加者だけではありません。みなさんの素朴なつぶやきが、専門家の常識をくつがえしてしまうこともあります。こうした観察会は、みなさんと学芸スタッフがいっしょにフィールドで学び、何かを発見しあえるいい機会なのです。







 10年の歳月を要していよいよ琵琶湖博物館が開館しました。「湖と人間」というテーマをもって、フィールドへの誘いとなる博物館、交流の場としての博物館をめざし成長発展していきたいと考えています。琵琶湖を中心にすえて、日本からアジアさらには世界の湖沼に育まれた自然や文化に深く根ざした活動を展開しながら、琵琶湖岸に芽生えた苗木を枝葉が生い茂る太い幹の大木に成長させたいと願っています。
 このような琵琶湖博物館の活動のひとつとして、「うみんど―湖人―」は湖に関心を寄せるすべての人びとと琵琶湖博物館を結ぶ情報誌として年4回の発刊を予定しています。
博物館準備室の時代から参加型調査・シンポジウムなどを通じてのべ2万人以上の人びとが琵琶湖博物館の活動に参加しています。今後この活動の輪を広げ、人びとをつなぐ通信として、知的好奇心にあふれた誌面を作りたいとはりきっています。ご声援ください。



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