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専門員 内藤又一郎(農業工学)
博物館では1年を通じて稲作に関する体験をしていただく「田んぼ体験教室」を開催しており、今年度で3年目を迎えることとなりました。
1年間の定員は30名、年間の教室回数は10回で、(1)「田植え」から始まって、(2)「田の草取り」(3)「米の話」(4)「虫の話」(5)「かかし作り」(6)「稲刈り」(7)「脱穀」(8)「餅つき」(9)「わら細工」最後は(10)「まとめ」を体験します。教室の時間は10:00から12:00までの2時間となっています。
教室参加の動機は、当然米作り作業を体験したいと言うほか、自然の中で作業がしたいとか、田んぼの生き物たちとふれあいたいと言うのがありました。皆さん田んぼを通してもう一つ広い視野で体験したいのだと思います。
過去2年間の参加者の感想から、特に印象深いものをあげてみます。
Aくん■「田植えのとき、土がグニョグニョしていたのできもちよかった。」
Bちゃん■「いねかりのとき、かまでたくさんかれて楽しかった。」
Cくん■「だっこくのとき、お米がバチバチと言って、自分も手がしびれた」
Dちゃん■「わら細工のわらぞうりを作ったときは、最初はむずかしかったけれど、後かららくらくとできてたのしかった。」
Eくん■「わらぞうりを作ったときが一番楽しかった。そしてわらぞうりを毎日はいていまーす。」
Fちゃん■「もちつきのときは、すごく、おもしろかったです。」
Gくん■「話が長い時は、つまらなかったです。」
H氏■「初めての田んぼ体験でしたが、まねて家でも、プランターで田を作りうまくいきました。」
I氏■「田植えの段階から、米作りの楽しいところだけに参加したような気がしますが、1年間を通じてお米作りに従事できた満足感でいっぱいです。子供に米作りが体験させてやれてよかったと思います。」
Jさん■「稲刈りで、なれない仕事に必死になった時のことと、偶然にも鼠の巣を見つけ中からかわいい鼠が出てきて感動したことが、印象に残っています。」
Kさん■「見たり聞いたりするだけでは、知っていると言うだけで、実際の作業を体験すると、ひと味もふた味も違いました。」
Mさん■「すてきな経験を親子でできて、よい思い出ができました。来年5年生になる娘は、お米の勉強がありますので大いに役立ててくれることでしょう。家の近くにある田んぼに目を向ける時、以前とは視点をかえて見ることができることと思います。毎日食べるお米を大切にしていきたいですね。」
Nさん■「とても勉強になりました。初めての経験ばかりで、お米作りは、手がかかるものですね。何気なく食べていたお米の一つぶ一つぶがとても大事に思えてきました。ありがとうございました。」
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(1)田植え | → | (2)田の草取り | → | (3)米の話 |
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(6)稲刈り | ← | (5)かかし作り | ← | (4)虫の話 |
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(7)脱穀 | → | (8)餅つき | → | (9)わら細工 |
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(10)まとめ |
本当に、1年間皆さんご苦労さんでした。 理屈抜きで、なりよりも体を動かして何かを成し遂げることの充実感とその大切さを感じておられます。
昔の農家は豊かな自然環境の中で、自らが育て上げたお米を食べ、また残った藁を使って生活に必要な物を創り上げて来ました。この教室ではそのすべてを体験することはできませんが、そのさわりでも感じていただけたのかと、ありがたくおもいます。
家族連れでこのように長期に体験する教室はあまりありません。 今年も多くの応募があり、やむなく抽選をする事となりました。
当博物館としても、もっと多くの方に体験していただきたいところですが、なにぶん施設的に限界があり残念に思っています。
今後も、皆さんの励ましを受けて検討を加えながら続けていきたいと思っています。
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