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琵琶湖博物館収蔵品ギャラリー

私の逸品

専門学芸員 中島経夫(魚類形態学)



壱岐島産のコイ科魚類化石


琵琶湖博物館には友田淑郎コレクションが収蔵されています。この中には、長崎県壱岐郡芦辺町長者産のコイ科魚類化石があります。これらの化石は、中新世の長者原珪藻土層から産出し、保存の良いものです。これらの化石は未記載の物がほとんどで、これから種を決定しなければなりません。種が決定されれば、これらの化石標本は模式標本として収蔵されることになります。壱岐島の長者原からは、コイ科のクルター亜科、クノセキプリス亜科、タナゴ亜科、コイ亜科のほかギギ科、スズキ科、トゲウナギ科などさまざまな魚類化石が見つかっており、日本の中新世の魚類相を代表する化石群集となっています。これらのうち、琵琶湖博物館に収蔵されているのは、クノセキプリス亜科、クルター亜科、タナゴ亜科のものが多く正確にはまだわかりませんが、10種ほどの種から構成されていると思われます。写真はその中の一つの大型クルター亜科魚類の化石です。








表紙の写真
(アケボノゾウの下顎)
 表紙の写真は、1993年に多賀町四手で発見されたアケボノゾウの下顎の臼歯の噛む面を拡大したものです。この模様を作っているのは、エナメル質といって私たちの歯の表面と同じものです。模様はゾウの種類ごとに違うので、世界で160種類もある化石ゾウの種類を決めるのに役立ちます。




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