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主任学芸員 山川千代美 (古生物学) | 「湖国もぐらの会」世話役 飯村 強さん 大津市在住 |
*「湖国もぐらの会」のメンバー:アイウエ順 飯村強、磯部敏雄、岡村喜明、長朔男、川口貢、北田稔、 田中武夫、谷一樹、田村幹夫、中川直弘、長澤芳佑、 中村豊美、服部昇、松岡長一郎、山本勝吉 |
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鉱物・化石展 | 展示室風景 |
鉱物・化石展「湖国の大地に夢を掘る」は、5月15日(火)~6月17日(日)琵琶湖博物館企画展示室にて開催されました。琵琶湖周辺地域から採集された鉱物や化石、約2000点の標本が展示され、約1万8千人の観覧者が訪れました。
この鉱物・化石展は、博物館を利用している地元の採集マニアや地学研究者15名で結成した「湖国もぐらの会」*が中心となって企画したものです。自分達がこれまで収集してきた標本を一堂に会して、より多くの方々に広く公開し、ただ標本を並べるだけの展示ではなく、各人の想いを織りまぜた学術的、趣味的、個性的な展示から、自然の素晴らしさ、不思議さ、面白さを紹介するものでした。
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▲化石の採集会 2000.10.1 土山町の野洲川河崖(鮎河層群) |
展示開催にあたって「…(私達は)隠された歴史にひかれ、それを解き明かそうと、ある時は崖によじ登り、ある時は川へ入り、またある時はもぐらのように坑道へもぐっていきました。そして、手にした鉱物や化石が語ってくれる湖国の歴史に耳を傾けてきました。(湖国もぐらの会より)」とコメントが述べられています。
鉱物や化石の素晴らしさに魅せられた大人達が、20年、30年とフィールドへ通い詰めた本当の理由は何でしょうか? お金を出して購入しないと手に入らないと思われがちの鉱物や化石ですが、フィールドへ出かけて自分で苦労して見つける、その喜びや醍醐味は格別なものです。手にした鉱物や化石の語りは、知らぜらる太古の世界へとロマンをかきたてます。
この展示会を通して、滋賀県は鉱物・化石の宝庫であること、一方で道路工事や宅地造成等で化石や鉱物が日々失われていること、バーチャルゲームもいいけれど、次代を担う子ども達に鉱物や化石の面白さを伝えたいというメッセージが送られていました。夢を探しにフィールドへ出かけよう!という願いとともに。
琵琶湖博物館では、年に1~2度秋に化石採集会や地層の観察会を行っています。大変人気が高く、定員30名程度に対し毎回100名を越える応募があります。また、当館の質問コーナーに「どこへ行けば、とれるでしょうか」という質問が多く寄せられます。鉱物や化石への関心が高いことは喜ばしいことなのですが、困ったことに、鉱物や化石を含む岩山や地層が見られる場所は、崖や河川、工事現場が多く、危険がいっぱいです。また、魚釣りと同じで、そこへ行けば必ず、鉱物や化石が見つけられるわけではありません。
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▲化石の採集会 2000.10.1 土山町の野洲川河崖(鮎河層群) |
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