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Goin' at Field! フィールドへ出よう!「よみがえれ!写真たち」 |
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学芸員(水生植物生態学) ■ 芦谷美奈子 | 主任主事(理科教育) ■ 中川 修 |
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ギャラリー展会場 2001年12月4日(火) ~2002年1月6日(日) |
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年末に家の大掃除をしている最中、出てきた古いアルバムをパラパラめくって、ついつい時間を忘れてしまい、「しまった!! まだ終わってないのに!」とあわてた経験はありませんか?
琵琶湖博物館では、2001年の夏から県内各地のグループ(学校や地域の団体)を募って、古い写真からナゾを調べるプロジェクト「よみがえれ! 写真たち」を実施しました。これは、自分の家や近所で古い写真を探して、その中に見つけた不思議なことやおもしろそうなことを、実際に自分で現場に行って確かめたり、写真を持っている人や写真に写っている人に直接インタビューして調べていくというものです。
古い写真を調べることと博物館との間に、どんな関係があるのでしょうか。博物館というと、いろいろな展示品があって観察会や講座を開いたり、というイメージですが、外に向けて展示をするには、同時に裏側でいろいろなモノを集めて整理したり、それに関する情報を調べたり研究したりする必要があります。この裏側の作業こそが、博物館という木を支える根や幹となります。そして、民具や生物標本などと並んで、画像資料(動画、写真)も重要な収蔵資料なのです。
今回のプロジェクトの最大の目的は、自ら集めた資料について、不思議に思った事などをあらゆる方法を駆使して調べること(つまり博物館の調査活動)のおもしろさを、子ども達に実感してもらうことでした。そして、その材料として「写真」を取り上げました。参加グループは、全部で19グループ。一般および学校や学区に関連したグループなどで、調査する写真もその方法もさまざまでした。
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現地で調査する子どもたち |
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もうひとつ。「子どもの美術教育をサポートする会」では、多賀町にある専行寺が託児所をやっていたときの写真(昭和18年)から当時の託児事情を調べました。この託児所を運営していた住職さんの曾孫さんが、この調査の中で自らひいおじいちゃんの偉業を知ることで、おばあちゃんと対話を持ち、家族のルーツを見つめなおすきっかけになったそうです。また、このグループでは、古い写真を大人の集まりで見せたところ、「これ、知ってる!」と話が盛り上がり、意外な人の輪がひろがったそうです。「大人の方が、すぐに古い写真に引き込まれる」と、協力員の津屋さん。
古い写真からわかることは、たくさんあります。歴史的な事実の記録として価値ある資料である写真は、調べる材料としても思った以上におもしろいものでした。さらに興味深かったのは、写真をとおして子ども達がお年寄りと話をすると双方に新しい発見があること、そしてナゾや発見を積み重ねていくと、決して歴史の教科書には載っていないような昔と今とのつながりが無数に見えてくることなどでした。
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結果やプロセスをギャラリー展で紹介 |
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