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琵琶湖博物館収蔵品ギャラリー

私の逸品

主任学芸員 マーク ジョセフ=グライガー Mark J. GRYGIER(甲殻類系統分類学)

Y 幼 生


 この「Y幼生」は、沖縄の海で沿岸のプランクトンの中から見つかったものですが、甲殻類(エビ、フジツボなどのなかま)の生活環の研究に残された謎の1つです。 Y幼生は、珍しいものだと長く信じられてきました。 しかし、1980年代になって京都大学瀬戸臨海実験所の伊藤立則博士は、和歌山県の田辺湾で多くの種をたくさん見つけました。 博士は、いくつかの種を記載して学会に報告しましたが、若くして亡くなったため、たくさんの種が研究されずに残されました。 その後、私は沖縄に同じようにたくさんいるのを見つけ、北は陸奥湾までY幼生を採集しました。 典型的な種のY幼生は、5つのノープリウス期と1つのキプリス期を経ます。 多くのノープリウス期幼生は何も食べず、実験室ではノープリウス期をわずか数日で経過してしまいます。 Y幼生は、嚢胸(のうきょう)類という寄生性の甲殻類の小さな群の幼生ととてもよく似ています。 また、フジツボなどの幼生ともいくらか似ています。 しかしながら、日本近海のプランクトンにたくさん混じっていて、たくさんの種が見つかるのにもかかわらず、Y幼生はいったいどのような成体(おとな)になるのか、まったくわかっていないのです! 私のY幼生のコレクションは世界最大で、現在は琵琶湖博物館に保管されています。





Information

 琵琶湖博物館では、道順案内や行事案内などの情報をさまざまな方法で提供していますので、どうぞご利用ください。

1.FAX情報提供サービス
 ファクシミリをお持ちの方は、通話機能を用いて(0775)68-****に電話し、音声指示に従って操作して最後に手動受信(機種によっては送信/スタート)の操作を行うと、目的の情報を受信することができます。
なお、プッシュ回線でない回線からのご利用の場合は、電話がつながったあと、ファクシミリからプッシュ音が出るように切り替える操作が必要になります。機種によって方法が異なるので、各々のマニュアルで事前にお調べください。

2.インターネット・ホームページ
 インターネットのWWWシステムにアクセスできる方は、http://www.lbm.go.jp/にアクセスして情報を見ることができます。
近日中に、写真情報などのデータベース検索や、館内散策の疑似体験ソフトなども利用できるようになる予定です。

3.パソコン通信【準備中】
 パソコン通信が使える方は、1,200~9,600bps、8ビットパリティなし、シフトJIS、X ON/X OFFフロー制ごありで、(077)568-****にアクセスすれば、いろいろな情報が得られるほか、博物館展示や関連する分野の内容について、質問したり議論したりすることができます。今のところ準備が完了していませんが、予備的に簡単な情報提供と、会員登録の受付をおこなっています。

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[ おことわり ]
 上記の「****」の部分には電話番号が入っていましたが、廃止したので、混乱を防ぐため伏せ字に改めました。

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