背景色

文字サイズ

ブックレット ブックレット

開館20周年を記念した
「琵琶湖博物館ブックレット」シリーズです。

当館は1996年10月の開館以来、湖の生き物と人々の暮らしをテーマとした調査研究を進めてきました。
このブックレットでは、学芸員や地域の研究者が、琵琶湖に関連した最新の研究成果を発信します。豊富なイラストや写真を盛り込み、市民の方に手軽に手に取っていただけるシリーズをめざしています。今後、毎年3冊程度のペースで刊行する予定です。
当館ミュージアムショップ、または全国の書店にて購入可能です。

詳しくは、サンライズ出版のホームページをごらんください。

サンライズ出版ウェブサイトへ

シーボルトが持ち帰った琵琶湖の魚たち

琵琶湖博物館ブックレット17

シーボルトが持ち帰った琵琶湖の魚たち

細谷 和海(近畿大学 名誉教授)

博物学者でもあったシーボルトが日本滞在中に収集してオランダに持ち帰った動植物の標本は、今もオランダ・ライデンにあるナチュラリス・生物多様性センターに保管され、分類の指標となるタイプ標本(模式標本)となっている。長崎から江戸までの参府ルートをたどり、近畿地方での足どりから琵琶湖水系の淡水魚の標本産地を探るととともに、分類と進化にまつわる興味深いエピソードをまじえて、ゲンゴロウブナなど主要魚種の標本と『日本動物誌 魚類編』掲載の図版を紹介。
(サンライズ出版ホームページより)

琵琶湖の森の 40万年史 ―花粉が語るものがたり―

琵琶湖博物館ブックレット 16

琵琶湖の森の 40万年史 ―花粉が語るものがたり―

林 竜馬(滋賀県立琵琶湖博物館 専門学芸員)

 樹種によって形が異なる花粉は、化石として地中に残されると、太古の植生の証言者となる。40 万年余りほぼ同じ位置に存在する琵琶湖の湖底堆積物にふくまれる花粉化石の分析により、気候変動と人の営みによる植生のうつり変わりが明らかとなってきた。
鎌倉時代以降、アカマツ林や草山が増加して現在よりも木が少なかった江戸時代、多くのカシ類が人々の暮らしを支えた縄文時代、およそ 10 万年周期で到来したロシア極東地域のような針葉樹林が広がる氷期など、琵琶湖周辺で見られた森の姿を紹介しています。
(サンライズ出版ホームページより)

こんにちは!びわ湖の森のイモムシ、ケムシたち

琵琶湖博物館ブックレット15

こんにちは!びわ湖の森のイモムシ、ケムシたち

寺本 憲之(琵琶湖博物館特別学芸員・滋賀県立大学客員研究員)

 本書は、著者が長年にわたって滋賀県で研究・調査されてきた成果と経験をもとに、びわ湖の森に生息するガ類のイモムシ、ケムシたちをテーマに、自然豊かなびわ湖の森を源流域・中流域・下流域に分けて、生息するイモムシ、ケムシたちの多様で巧妙な生態、形態、色彩、調査方法などが紹介されています。たとえば、怪獣モスラのように口に「歯」をもつ原始的なガを源流の森で発見した話から、白亜紀初期からの鱗翅(チョウ)目の進化の物語が展開します。本書には、昆虫学と博物学のおもしろさを通じて未来の昆虫学者が育ってほしいとの願いが込められています。

琵琶湖と俳諧民俗誌 -芭蕉と蕪村にみる食と農の世界-

琵琶湖博物館ブックレット14

琵琶湖と俳諧民俗誌 -芭蕉と蕪村にみる食と農の世界-

篠原 徹(滋賀県立琵琶湖博物館名誉館長)

 このブックレットは芭蕉や蕪村が近江で詠んだ句や、その他の俳諧・俳句を通じて、近江ならではの自然や人々の暮らし、文化を紐解いた一冊です。多くの俳人が句に残した近江の風土は、滋賀県のもつ自然や文化をあらためて価値づけてくれるものであり、多くの方に読んでいただけることを願っています。

琵琶湖と古墳~東アジアと日本列島からみる~

琵琶湖博物館ブックレット13

琵琶湖と古墳~東アジアと日本列島からみる~

用田 政晴(神戸学院大学教授・滋賀県立琵琶湖博物館名誉学芸員)

 巷に出てきた「古墳ガール」、NHKで流れる「埴輪ブーム」、極めつけは堺市役所の「ハニワ部長」。2021年は滋賀でも古墳ブーム間違いなしです。そこで、大好評の琵琶湖博物館ブックレット第13弾は、「琵琶湖と古墳~東アジアと日本列島からみる~」と題して、古墳の世界へ読者を誘います。著者は古墳研究が専門の当館元学芸員。自らがフィールドワークで培った知識をフルに活かして琵琶湖と古墳の物語を紡いでいます。この本を読めば古墳マニアになれること間違いなし!!県内外の多くの人がこの本を片手に滋賀の古墳巡りに出かけてくれることを期待しています。

近江路をめぐる石の旅

琵琶湖博物館ブックレット12

近江路をめぐる石の旅

長 朔男

 かつての道づくりや石垣、灯籠などで利用されてきた石。また、河原などにある石を自然の情景に見立てる水石・盆石など、人々は石と密接な関係である。本書は、そのような石を琵琶湖の周辺の、旧街道ごとに5つの章に分けて、36の話題を紹介。これらには、今も観察ができる地での解説も豊富にあるため、本書を室内で読むだけでなく、野外で近くに立ち寄った時のガイドブックとしても利用できる。

ナマズの世界へようこそ -マナマズ・イワトコ・タニガワ-

琵琶湖博物館ブックレット11

ナマズの世界へようこそ -マナマズ・イワトコ・タニガワ-

前畑政善(神戸学院大学 教授/滋賀県立琵琶湖博物館 名誉学芸員)
田畑諒一(滋賀県立琵琶湖博物館 学芸員)

現代の日本においてナマズは、「名前や姿形は知っているが、実際に見たことはない魚」ナンバーワンではないだろうか。ひと昔前までは田んぼの周りの水路や小川でごく普通に見られたナマズ(マナマズ)、琵琶湖の岩場などに棲むイワトコナマズ、2018年に新種として記載されたタニガワナマズそれぞれの特徴や生態、日本産ナマズ属の起源・歴史などを、フィールド調査でのさまざまなエピソードとともに紹介。(サンライズ出版ホームページより)

琵琶湖のまわりの昆虫 ー地域の人びとと探るー

琵琶湖博物館ブックレット10

琵琶湖のまわりの昆虫 ー地域の人びとと探るー

八尋 克郎

 種数が多い昆虫の研究には、地域の人たちといっしょに調べることが欠かせません。琵琶湖博物館の開館以来、昆虫担当学芸員として活動してきた著者が、長年の研究で明らかになったトンボ、チョウ、オサムシなどさまざまな昆虫の分布や生態に関わる興味深い話題とともに、虫好き人間の活動などが紹介されており、とても読みやすい一冊となっています。

ビワコオオナマズの秘密を探る

琵琶湖博物館ブックレット9

ビワコオオナマズの秘密を探る

前畑 政善

 琵琶湖の主と呼ばれ、大きなものでは全長が1メートル以上にもなるビワコオオナマズ。しかし、その暮らしについては謎に包まれていました。著者である前畑氏はビワコオオナマズを30年以上も研究されており、これまでに産卵のタイミングや繁殖戦略などについて明らかにしてきました。このブックレットではそのような長年のビワコオナマズ研究で明らかになった成果を紹介しています。その他、研究や調査の中で生まれたおもしろいエピソードなどもコラムに含まれており、とても読みやすい一冊となっています。

古琵琶湖の足跡化石を探る

琵琶湖博物館ブックレット8

古琵琶湖の足跡化石を探る

岡村 喜明

古琵琶湖層のど真ん中で生を受けた著者が、1988年にゾウの足跡化石が発見されたことで勢いづき、そのくぼみの正体解明を続けてきた市井の研究者の調査報告書。河川敷や発掘現場などでどのように足跡を見つけたのか、それはどんな動物のものなのか、解明していく手法を多くの写真とともに克明に解説。

琵琶湖はいつできたー地層が伝える過去の環境ー

琵琶湖博物館ブックレット7

琵琶湖はいつできたー地層が伝える過去の環境ー

里口 保文

悠久の水を湛える琵琶湖はいつ、どうやってできたのか? 400万年前の琵琶湖の元型から現在に至る琵琶湖のおいたちを追う。地球上に残された地層というわずかな手がかりをもとに、判明した琵琶湖の地史を分かりやすく紹介。

タガメとゲンゴロウの仲間たち

琵琶湖博物館ブックレット 6

タガメとゲンゴロウの仲間たち

市川 憲平

一昔前の農村では当たり前に近くの水田や池沼で見ることができたタガメとゲンゴロウの仲間たちは、現在では数が激減し、野外で出会うことも難しい昆虫となった。タガメのメスの卵塊破壊や「田のムカデ」とよばれる8センチにもなるゲンゴロウの幼虫など、それらの生態には不思議な特徴に満ちている。49の視点から普段じっくり見ることのできない希少な水生昆虫を写真と資料で詳細に解説。

近江の平成雲根志 鉱山・鉱物・奇石

琵琶湖博物館ブックレット 5

近江の平成雲根志 鉱山・鉱物・奇石

福井 龍幸

かつて滋賀県に多く存在していた石部村銅山や富川銀山などの鉱山を『甲賀郡志』『滋賀県管下近江国六郡物産図説』などを紐解き、取り上げる。また、県下で産出した水晶、宝石などの鉱物や、江戸時代の本草学者・木内石亭が記した『雲根志』に掲載された、振るとコロコロと音のなる奇石などについても豊富な写真とともに解説。

琵琶湖の漁業 いま・むかし

琵琶湖博物館ブックレット 4

琵琶湖の漁業 いま・むかし

山根 猛

太古から琵琶湖は、周辺に暮らす人々にとって欠くことのできない動物性たんぱく質食料である魚介類の供給源だった。漁具・漁法が多様化する一方、消費地の嗜好に合わせ、漁獲される魚種はフナやアユ、シジミなどに限定されていった。流通・縄文時代早期(6500年前)の遺物や中世以降の絵画・文字記録などをもとに、網漁やエリなどの漁労技術と主要な魚種の変遷をたどる。

イタチムシの世界をのぞいてみよう

琵琶湖博物館ブックレット 3

イタチムシの世界をのぞいてみよう

鈴木 隆仁

イタチムシとは「イタチ」のような哺乳類ではなく、また「ムシ」というものの昆虫の類でもない。水底に棲む、体長わずか0.1㎜ほどの小さな多細胞生物で、ボーリングピンに尻尾をはやしたような愛嬌のある形の生物だ。「かわいらしい小虫」と表現もされ、少量ながらもイタチムシのグッズもある。ところが実物を見た人は少なく、本書ではこの小さな生き物の存在と周囲に暮らす隣人たちを紹介する。併せて採取方法や飼育についても言及する。

湖と川の寄生虫たち

琵琶湖博物館ブックレット 2

湖と川の寄生虫たち

浦部 美佐子

世の中にはどうして「アマチュア寄生虫研究者」がいないのかと思った著者は、小中学生や一般の人が寄生虫への関心が深まるようにと、観察方法と標本の作り方をわかりやすく紹介。さらに琵琶湖固有の寄生虫がいるのではと調査をした事や(実は存在していた)、ラテン語の長くてわかりにくい学名以外にと自ら和名を付けてしまうという、まさに寄生虫大好き先生の入門書である。

ゾウがいた、ワニもいた琵琶湖のほとり

琵琶湖博物館ブックレット 1

ゾウがいた、ワニもいた琵琶湖のほとり

高橋 啓一

360万年前伊賀市にあった古琵琶湖の大山田湖や3万年前の琵琶湖では水辺を巨大なゾウが歩いていた。気候変動とともに移り変わるゾウ達の姿を、化石をもとに紹介。