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約30年ぶりの記録!! 発見者は長浜市在住の小学生 滋賀県内でコガタノゲンゴロウが発見されました

 滋賀県内では約30年ぶりの記録となるコガタノゲンゴロウが発見されました。発見者は、長浜市在住の小学生、天守証(あまもり あかし)さん(8歳)です。天守さんは、約1年前となる2020年9月18日に市内の水路で大型のゲンゴロウの仲間を発見しました。そして、その姿がゲンゴロウという種に似ていたことから保護者である天守正史さんを通じて、当館学芸員へ問い合わせをした結果、コガタノゲンゴロウであることが確認されました。これらの発見の経緯については、関西自然保護機構が発行している学術雑誌「地域自然史と保全」の最新号(第43巻1号)に掲載されました。
 この発見に関連して、水族トピック展示「約30年ぶりの発見!! コガタノゲンゴロウ」を10月19日(火)より水族展示室において、以下の要領で開催します。今回発見されたコガタノゲンゴロウの標本や、その他の県内に生息する水生昆虫についても紹介します。

水族トピック展示「約30年ぶりの発見!! コガタノゲンゴロウ」

【会 期】
令和3年(2021年)10月19日(火)~11月28日(日)
(都合により変更する場合があります)
【場 所】
琵琶湖博物館 水族展示室 ふれあい体験室前(チョウザメ水槽の向かい)
【展示内容】
・今回発見されたコガタノゲンゴロウの標本
・コガタノゲンゴロウの生体展示(他県で採集された個体)
・その他県内で見ることができなくなった水生昆虫の紹介
コガタノゲンゴロウ.jpg


上写真:今回滋賀県内で発見されたコガタノゲンゴロウ(2020年9月20日撮影)

■コガタノゲンゴロウについて
コガタノゲンゴロウは、ため池などに生息している水生昆虫で、当館の調べによると、滋賀県内での確実な記録としては1989年に確認された標本以来、発見されていなかった水生昆虫です。そのため、現在は『滋賀県レッドデータブック2020年版』において「絶滅危惧種」に位置付けられています。その一方で、九州や中国地方では近年増加傾向にあり、少しずつ確認例や定着例が増えてきていることがわかっています。
なお、今回コガタノゲンゴロウが発見された場所の周辺をその後に複数回調査しましたが、本種が繁殖できそうな場所がなかったことから、移動中の個体もしくは、飼育下から逸出した、あるいは放流された個体が見つかったものと考えられます。しかし、今後、多くの皆さまが注意をして観察することで、第2、第3の発見があるかもしれません。
今回の発見の経緯については、下記論文として先日、発表されました。
金尾滋史(2021)滋賀県内におけるコガタノゲンゴロウの再発見と博物館の貢献.
地域自然史と保全43(1): 63-66.

■今回コガタノゲンゴロウを発見した天守証さんのコメント
僕は前から本物のゲンゴロウを見てみたいと思っていたので、川でゲンゴロウを見つけたときはすごくドキドキしました。家に帰って琵琶湖博物館の金尾さんに、貴重な「コガタノゲンゴロウ」だと教えてもらいました。僕の住んでいる町でコガタノゲンゴロウが見つかったことが、とても嬉しかったです。

<報道機関の皆さまへ>
ご本人のプライバシー保護のため、天守さんへの直接の取材はご遠慮ください。天守さんのコメントはこちらの掲載されている情報をお使いください。また、保護者からご提供いただいた顔写真が提供できますので、必要な方は担当までご連絡ください。

資料提供はこちら→211015資料提供:コガタノゲンゴロウ約30年ぶり発見.pdf