背景色

文字サイズ

ニュース

ニュース一覧へ

水族トピック展示「新種記載されたスナヤツメの仲間」がはじまりました!

概要

●琵琶湖博物館水族展示室において新しい水族トピック展示が始まりました。

●これまでの常設展示では展示していなかったキタスナヤツメとミナミスナヤツメを生体展示しています。特にミナミスナヤツメは202412月に発表された論文で新種となった魚類です。

●新種記載論文で使用された標本も展示しています。特にミナミスナヤツメの標本は、新種記載となった際に基準のひとつとなったパラタイプ標本です。

●同時に、A展示室でもトピック展示として2024年秋に新種として記載されたレイホクナガレホトケドジョウのタイプ標本を展示しています。


詳細

水族トピック展示「新種記載されたスナヤツメの仲間」

期間:2025年2月11日(火・祝)~4月27日(日)

   ※魚類の状態により期間は変更する場合があります

場所:水族展示室 よみがえれ!日本の淡水魚 保護増殖センター前

川で産卵をするミナミスナヤツメ.JPG

川で産卵をするミナミスナヤツメ

スナヤツメの仲間は、滋賀県内では主に河川の上流域、湧き水のある河川や水路に生息し、古くから「やつめうなぎ」という名前で知られていました。

今回の水族トピック展示ではこのスナヤツメの仲間であるキタスナヤツメと新種となったミナミスナヤツメの生体・幼生の展示、標本(パラタイプを含む)の展示を行っています。スナヤツメの仲間は水族展示の常設では展示しておらず、2種が同時に生体展示されるのは当館として初めてです。

また、同時にA展示室では、20249月に新種となったレイホクナガレホトケドジョウのタイプ標本を特別に公開しています。

スナヤツメ2種.jpg

  • 滋賀県に生息する2種のスナヤツメ類

これまでのDNA分析による研究で、滋賀県には2種類のスナヤツメが生息していることが明らかになっていました。そして202412月に、スナヤツメ類を含めたカワヤツメ属の分類学的整理に関する研究論文が発表され、スナヤツメ北方種と呼ばれていたものにキタスナヤツメという和名が与えられました。さらにスナヤツメ南方種が新種となり、ミナミスナヤツメとして記載されました。

この研究では、琵琶湖博物館所蔵の標本も使用されており、滋賀県産ミナミスナヤツメの一部の標本がパラタイプ(学名の基準として指定された単一の標本(ホロタイプ)に準ずる標本)となりました。今回の水族トピック展示では、ミナミスナヤツメのパラタイプを含めた標本も公開しています。

 

琵琶湖博物館には新種が記載された際の基準となる標本(タイプ標本)がいくらか収蔵されています。A展示室でも20249月に新種となったレイホクナガレホトケドジョウのタイプ標本をトピック展示として特別に公開しています。

 

<展示の参考とした論文>

Harumi Sakai, Akihisa Iwata, Katsutoshi Watanabe and Akira Goto (2024)

  Taxonomic re-examination of Japanese brook lampreys of the genus Lethenteron with descriptions of two

  new species, Lethenteron satoi sp. nov. and Lethenteron hattai sp. nov., and re-description of Lethenteron

  mitsukurii. Ichthyological Research   DOI:10.1007/s10228-024-00997-7