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「おうちミュージアム」は『北海道博物館』が提唱した、子どもたちが家で楽しく学べるアイデアを伝えるプログラムで、さまざまな博物館が参加しています。琵琶湖博物館もこの趣旨に賛同し、「おうちミュージアム」をオープンすることにしました。どうぞ皆さんもこのページをご利用いただくとともに、ほかの博物館の「おうちミュージアム」も訪問してみてください。
*このページは滋賀県の「コロナに負けないぞ!!子ども応援プロジェクト」の一環です
目次
1.おうちでやってみよう
2.フィールドでやってみよう
4.webアミンチュ × 琵琶湖博物館
5.生きもの動画シリーズ
6.びわ博の研究をのぞいてみよう
・【NEW!】情報誌 びわはく
ディスカバリールームかんさつシート
『かんさつシート』を使ってスケッチやぬり絵をしてみよう
ディスカバリールームで使っている『かんさつシート』です。ふだんは実物を見ながらスケッチや、色ぬりをしています。PDFファイルをダウンロードして、写真やヒントを見ながらチャレンジしてみてください。
琵琶湖博物館が再開されたら、本物の標本(ひょうほん)と見くらべに来てくださいね。
※写真は、ホンドタヌキ と コイ です。
※ここからも、PDFファイルがダウンロードできます。
◎かんさつシート① ◎かんさつシート② ◎かんさつシート③ ◎かんさつシート④
◎かんさつシート⑤ ◎かんさつシート⑥ ◎かんさつシート⑦ ◎ヒント
びわはく ホネクイズ
ホネって見たことある? 頭のホネの形をかんさつして、歯やツノ、クチバシ、キバをそうぞうしながら かいてみよう。完成したら、こたえと見くらべてみてね。
(2017年度 わくわく探検隊「ほねにふれてみよう!」で実施しました)
答え合わせをしてみよう
とぶタネをとばそう
植物のタネはいろいろな方法で遠くに旅に出ます。風に乗って遠くにとんでいったり、どうぶつにくっついて移動したり、パンとはじけてとばしたり。
風に乗ってとぶタネのもけいを作って、とび方をかんさつしよう。
全6種 鉱物クラフト
河原(かわら)に落ちている岩石の多くは小さな粒、鉱物(こうぶつ)からできています。そして、これら鉱物は、それをつくっているとても細かい原子(げんし)が規則正しく並んだ結晶(けっしょう)からできています。
鉱物の形はその種類によってちがいます。いろいろな鉱物の模型(もけい)をつくってみよう。
アブラコウモリをつくろう
夕方の空を飛ぶアブラコウモリたち。なんでぶつからないの?どこに住んでるの?そもそもコウモリってどういう意味?アブラコウモリのひみつが詰まった「ひみつBOOK」とはばたくアブラコウモリペーパークラフトを作ってコウモリのひみつにせまってみよう。
Ⓒkitada
ミジンコちぎり絵
琵琶湖にたくさんいるプランクトンたち。色んな生き物のご飯になって、琵琶湖をささえているよ。 プランクトンの中でも、おもしろい形のミジンコ4匹がそろいました。
ミジンコって、どんな色をしているんだろう?いらないチラシなどをちぎって、ちぎり絵に挑戦してみよう!ぬり絵にもどうぞ。
古代湖の生きものぬり絵
100万年以上の歴史をもった湖、古代湖にはどんな生きものたちが住んでいるのでしょうか。400万年の歴史をもつ琵琶湖と3000万年の歴史を持つロシアのバイカル湖の生きものたちを塗ってみよう。
琵琶湖の主:ビワコオオナマズぬり絵.pdf
ビワコオオナマズは日本のナマズの中では最大で、これまでに120センチメートル近い個体もみつかっています。琵琶湖にいる他のナマズ類、ナマズやイワトコナマズが60センチメートルほどなので、およそ二倍の体長になります。夜に活発に泳いでアユやフナなど、他の魚を食べている琵琶湖の生態系の頂点にいる魚です。なお、味の方はあまりよくないと言うことです。
縦向きのヨコエビ:アカントガンマルス ヴィクトリィぬり絵.pdf
ヨコエビのほとんどは数ミリから1センチメートルほどですが、たくさんのヨコエビ類が住むバイカル湖には5センチメートルを超える大型のヨコエビたちも住んでいます。ふつう、ヨコエビは平たい体をもっていて、石の表面に張り付いたり、隙間に入りこむようにして、横向きになって生活しています。この種類は固い殻とトゲを持つことで横になって隙間に逃げる必要がなくなったからか、普通に縦向きに歩いている変わったヨコエビです。
アジアの水辺の生き物たちを調べてみよう
※フィッシュアジアは外部へのリンクとなります。
フィッシュアジアは、日本をはじめ東アジア・東南アジアの川や湖にすむ魚や貝などいろいろな生きものに関する写真や分布情報、3Dモデルが見られるデータベースです。
普段は見ることができない川の中での生きものの姿や貴重な標本、自由に動かせる骨格の3D画像などを見て、調べることができます。琵琶湖博物館の標本も掲載されています。
※フィッシュアジアホームページ上部の「キーワード・塩基配列」に生きものの名前を入れて、「観察記録」で検索をかけると生きものの写真などが見られます。トップページの生きものの写真をクリックしても、その生きものの写真を見ることができます。
おさかなモビールをつくろう
協力:びわたん
風にゆられて、ゆらゆら動く飾り「モビール」。ペットボトルやラミネーター、厚紙を使ってオリジナルのおさかなモビールを作ってみよう!うまくバランスをとれるかな?
【びわはくAR】おうちで体験 出発!丸子船
本コーナーを楽しむには、専用アプリ『びわはくAR』(無料)が必要となります。下記よりダウンロードしてください。
※動作にはARCore対応端末であることが必要になります。
※通信にかかる費用は利用者様負担となります。
※アプリダウンロードサイトは外部サイトとなります。
使い方
1.「びわはくAR」を起動する
2.「出発!」をタップ
3.カメラを「びわはくAR」マークに合わせる
4.丸子船があらわれるので、いろいろな方向から見てみよう
「びわはくAR」マークをプリントアウト(白黒印刷可)すれば屋外でも楽しめます。
本物の琵琶湖を背景にして、琵琶湖を進む丸子船を再現してみよう。
コイかぶとをつくろう!
コイかぶとをつくってみよう!しんぶんしでつくると コイのぼうしになるよ!
どうぶつの足型取り
少ししめった土や泥の上には、夜に歩き回ったどうぶつたちの足あとがたくさん。フィールドに探しに行って、足型をとってみよう。どちらに向いて、歩いて行ったのかな?おとなの人といっしょに出かけてね。
(2019年度 環境学習センター活動者交流会研修で実施予定でした(中止))
いきものdeビンゴ
琵琶湖や家の近くにも、かんさつが楽しい生き物はたくさんいます。 みつけた鳥や葉っぱをビンゴにして、楽しく3つ、そろえちゃおう。
おとなの人といっしょに出かけてね。
タンポポの種類を調べてみよう!
あなたの家のまわりのタンポポを調べてみませんか?
実はひとえにタンポポといっても、滋賀県でよく見られるものだけで8種類もあります。
以下の検索表を参考に、身近なタンポポの種類を調べてみましょう。
・タンポポの種類の見分け方
琵琶湖博物館フィールドレポーター タンポポ調査
タンポポをもっと調べてみたい方は、琵琶湖博物館のフィールドレポーターに登録して、一緒にタンポポを調べてみませんか?
フィールドレポーターが現在行っているタンポポ調査は、「タンポポ調査・西日本2020」の一環でもあります。
※タンポポ調査・西日本2020は外部サイトとなります。
・琵琶湖博物館フィールドレポーター タンポポ調査
フィールドレポーター2020年度第1回調査「タンポポ調査」案内
・フィールドレポーターについて
フィールドレポーターとは
カエルの鳴き声を聞き分けてみよう!
協力:兵庫県立人と自然の博物館
お近くの田んぼに徒歩あるいは自転車で、カエルの鳴き声を聞きに行ってみませんか?
田んぼに水が入るこの季節、特に夜や雨の日にはカエルの大合唱がはじまります。
カエルにも実はたくさんの種類がいて、それぞれに鳴き声が違います。どんなカエルが鳴いているのか聞き分けてみましょう。
ここで役に立つのが兵庫県立人と自然の博物館(愛称「ひとはく」)のウェブサイト「カエルのなきごえ♪♪きいてみよう 日本のカエルの鳴き声図鑑」です。
※「カエルのなきごえ♪♪きいてみよう 日本のカエルの鳴き声図鑑」は外部サイトとなります。
・カエルのなきごえ♪♪きいてみよう 日本のカエルの鳴き声図鑑
滋賀県の田んぼとその周辺でこの時期によく鳴いているのは、以下の8種類です。
※カエルの名前から「カエルのなきごえ♪♪きいてみよう 日本のカエルの鳴き声図鑑」の各ページ(外部サイト)に飛べます。
1.ニホンアマガエル
2.トノサマガエル
4.ウシガエル(特定外来生物)
5.ツチガエル
6.ヌマガエル
8.モリアオガエル
カタツムリの種類を調べてみよう
私たちが家にこもりがちになる雨の日、外に出てきてさかんに活動する生き物たちがいます。その代表がカタツムリです。一口にカタツムリと言ってもたいへん多くの種類があります。移動がきわめて遅いので、地域間での遺伝子交流があまり起こらず、地域ごとに別の種へと分かれていくからと言われています。日本だけで1,000種以上、滋賀県でも140種あまりが知られています。
琵琶湖博物館のフィールドレポーターは、2013年にカタツムリ調査を行い、滋賀県内の代表的なカタツムリの分布を明らかにしました。そのときの簡易検索表を用いて、身近なカタツムリの種類を調べてみませんか?
もちろん、この検索表にないカタツムリの種類も、滋賀県にはたくさんいます。そんなカタツムリを見つけたら、写真と日時、場所などを琵琶湖博物館にお知らせください。当館のカタツムリを得意とする学芸員たちが、種類の判定に挑みます。
写真:クチベニマイマイ
制作・写真 金尾滋史
身近なセミを調べてみよう~目指せセミプロ!~
協力:大阪市立自然史博物館, 平塚市博物館
セミの鳴き声がにぎやかな季節がまた、巡ってきました。琵琶湖博物館の周辺でも、6月25日ころからニイニイゼミの鳴き声が聞かれるようになりました。
皆さんは家の周辺で鳴いているセミの声を、種類ごとに聞き分けることができますか?大阪市立自然史博物館のウェブサイト「大阪のセミの見わけ方」には、鳴き声をもとにセミの種類を調べる方法が紹介されています。
成虫の姿を見てセミの種類を見分けるのは、鳴き声を聞き分けるよりも難しいことがあります。滋賀県の平野部で、7~8月によく見られるセミは6種います。捕まえたり写真をとったりして、「セミ図鑑」で種類を調べてみましょう。
もっと難しいのが、ぬけがら(脱皮殻)からの種同定です。大きさや形が似ている種類もあり、一見して区別が難しいことがあります。しかし滋賀県の平野部に多い6種だけならば、観察するポイントさえ間違わなければ、ばっちり区別することが可能です。これも、セミ図鑑で調べてみましょう。
・セミ図鑑
・セミ図鑑(pdf)
この夏は、あなたの家の近くにいるセミ全種の鳴き声、成虫、抜け殻の種類が全てわかる「セミプロ」を目指してみませんか? なお、山間部にお住まいの方は、ここで紹介した6種以外のセミを見つけることができるかもしれません。「セミ図鑑」にのっていないセミを見つけたら、あるいは鳴き声を聞いたら、写真または音声ファイルに日時、場所などをそえて琵琶湖博物館までお送りください。学芸員が種類の判定に挑みます。
参考文献:セミ・バッタ(保育社),自然ガイド むし(文一総合出版)
セミ原画:杉野由佳(フィールドレポーター)
♪アオマツムシが鳴いている・・・?
残暑が厳しい中でも朝夕は少し涼しくなり、セミの鳴き声も徐々に勢いがなくなって、秋の訪れが感じられるようになりました。すると代わって勢いを増してくるのが秋の鳴く虫、主にコオロギやキリギリスのなかまです。
ここでは小学校で習った「虫のこえ」(林柳波作詞、井上武士作曲)に出てこない、アオマツムシに注目します。アオマツムシは20世紀初めくらい(諸説あり)に中国から日本に持ち込まれた外来種と言われています。夜の気温が下がってくる9月頃に羽化し、木の上などで盛んに「リューリュー」と鳴くようになります。鳴き声は、たとえば以下のサイトを参考にしてください。
NHK for School アオマツムシ都会に鳴く
※NHK for Schoolは外部サイトとなります。
木の高いところにいることが多いので、姿を見ることはまれですが、このように見えます。
昆虫エクスプローラー アオマツムシ
※昆虫エクスプローラーは外部サイトとなります。
アオマツムシはどんな場所の、どんな木の上で鳴いているのでしょうか?夜の散歩やジョギングのついでに、確かめてみましょう。
フィールドレポーターによる2002年の調査では、アオマツムシは滋賀県のほとんどの地域から見つかっています。ですから、「私の家の周辺では、アオマツムシの鳴き声を聞かない」というのも、たいへん重要なデータになります。もし、家の周りで全くアオマツムシの鳴き声を聞かない、という方がいらっしゃいましたら、以下のアドレスに調査した地域の情報を添えてご連絡いただければ幸いです。
[email protected]
3.展示交流補助ツール
琵琶湖博物館の展示交流員は、3月からの休館期間中、展示室の再開にむけて、様々な展示交流のための工夫をしてきました。その成果の一部を皆様にご紹介します。
完全変態コガムシくん
琵琶湖博物館C展示室「田んぼへ」のコーナーには、たくさんのコガムシがいます。幼虫と成虫の標本も、幼虫がトゲカイエビをおそって食べている映像も、20倍の拡大模型もあります。そして「田んぼの生きもの絵屏風」には、卵、幼虫、蛹、成虫の全てが登場します。
そんなコガムシが気になって仕方がない展示交流員は、コガムシを紹介するコンテンツを作成しました。あなたの近所の田んぼにもいるかも。
ナゴヤダルマガエルをしってるかい?
琵琶湖博物館C展示室「田んぼへ」のコーナーには、ナゴヤダルマガエルがいます。日本固有種で環境省レッドリストの絶滅危惧IB類、しかし滋賀県には広く分布しています。
滋賀県にはナゴヤダルマガエルと近縁のトノサマガエルもいるのですが、その区別が難しい!そこで、背中の模様を自分で描いてみることで、両種の違いがわかるプログラムをつくってみました。
スクミリンゴガイってなあに?
近年、滋賀県の田んぼでも急増しているスクミリンゴガイ。ジャンボタニシとも呼ばれ、タニシに似ていますが、全く別のなかまです。稚貝を生むタニシとは異なり、水の上に卵を産みます。
スクミリンゴガイは外来種です。なぜ日本にやってきたのでしょうか?そして何が問題になっているのでしょうか?
滋賀県にいる身近な鳥ミニBOOK
琵琶湖博物館の展示室で見られる鳥のうち、珍しい種でなく、滋賀県で普通に見られる身近な種ばかりを選んで紹介します。展示交流員が調べて見つけてきた豆知識つきです。
このミニBOOKをもって、身近なフィールドで鳥を観察してみましょう。きっと新しい発見があるはずです。
かんたんフェイスシールドを作ろう
フェイスシールドは顔全体をおおうことによって目、鼻、口などを守り、新型コロナウィルスの感染を防ぐ効果があります。また飛沫を遠くに飛ばさないことで他人に感染させない効果もあり、マスクとの併用でさらに効果が上がると言われています。
身近で手に入る材料を用いて、お手軽でおしゃれなフェイスシールドをつくってみませんか?今なら展示交流員とおそろいです。
webアミンチュ × 琵琶湖博物館
※webアミンチュホームページは外部へのリンクとなります
びわ博が大好きになるマル秘ネタを中の人が大公開
滋賀愛あふれるクイズ、クイズ滋賀道から琵琶湖博物館に関係するクイズを厳選
生きもの動画シリーズ 1.プランクトン
ふわふわと水の中をただようプランクトン。地上の生き物では考えられないような形や動きが面白い生き物たちです。ここではとっておきのプランクトンの動画を公開します。じっくり観察してみてください。
プランクトンとは:
「(水の流れにさからえず)ただようもの」という意味です。「空を飛ぶもの」とか「地を走るもの」と同じように、生活の形による区分なので、体のサイズも、分類上の種類もさまざまです。たとえば一番小さい細菌の大きさは1ミリメートルの千分の1くらいですが、琵琶湖で一番大きなミジンコ(ノロ)は1センチメートルくらいあります。人によってはクラゲもプランクトンとして扱います。アメーバのような単細胞の生き物も、ミジンコのような多細胞の生き物も、プランクトンです。植物プランクトンとか動物プランクトンという区別は光合成(光合成)を行うかどうかで決まっています。
その1.回るボルボックス(オオヒゲマワリ)
琵琶湖では夏によくみられます。動画では茶色ですが、自然光では緑色です。ボールのように見える体は、群体(ぐんたい)と呼ばれる集団で表面のつぶつぶがそれぞれ1匹(?)です。群体の中はボールのように空っぽです。表面の 1匹1匹がそれぞれ長い毛を持ち、その毛を動かすことで全体が回りながら泳ぎます。 大型で、毛(ひげ)を持ち、回ることからついた名前(和名)は「オオヒゲマワリ」です。
その2.うごめくせん毛虫 ディレプタス
せん毛虫とは単細胞生物(たんさいぼうせいぶつ)の中でも全身に大量の細かい毛(せん毛)を持ち、それを使って移動したり餌を集めたりする生きものたちです。全身のせん毛を同じ方向に回転させることで移動でき、何かにぶつかったときは、せん毛をすばやく逆回転させてバックします。ひとつの細胞しかない単細胞生物ですが、実はひとつの細胞だけでなんでもできるように進化しています。最初の画面でディレプタスの左側、やや平らになった吻(ふん)と呼ばれる部分はエサを捕まえるための虫アミのような役割があり、その根本にある凹みは口だったりします。体の中にある色のついた部分は食べた植物プランクトンを消化している場所で、人で言えば胃や腸にあたる部分です。単細胞とだけ聞くと単純な気がしてしまいますが、実はいろいろなことができる複雑(ふくざつ)な細胞からできています。
その3.アメーバの食事風景
アメーバは単細胞生物(たんさいぼうせいぶつ)の中でも特に自由に姿を変える生きものです。細胞の内側にあるタンパク質でできた骨組み細胞骨格(さいぼうこっかく)の形を変えることで、骨組み通りの形へと変化することができます。今回はテトラヒメナ(泳いでいる小型のせん毛虫)を捕まえるべく、テトラヒメナが好きそうな狭い空間を作り出して誘い込んでいます。捕まえたエサは少しずつアメーバの細胞に囲まれていき、最後は細胞の表面の膜をうまく結合させることで、細胞内へと引きこみます。あとは細胞内に待ち構えている消化液の入った袋と合わさることで、そこに簡単な胃ぶくろができあがります。消化したら栄養を吸収し、残った部分は細胞表面から外へと放り出されます。
その4.脱皮で大変身ノープリウスからコペポディドへ
エビのような形をした小さな甲殻類(こうかくるい)ケンミジンコ。卵から生まれた直後はダニのようなノープリウス幼生(ようせい)と呼ばれる形をしています。親とはだいぶ違った形をしていますが、脱皮を繰り返すうちに親と似た形へと変化していきます。ではどうやって変わるのでしょうか?実は脱皮した瞬間には、すでに体の中でまったく違った形の殻(から)が準備されています。そのため、ケンミジンコのノープリウスは脱皮直後にすでに全く別の生きもののようなコペポディドの形になることができます。脱皮前の姿をよく覚えておいてから見ましょう。
その5.ミジンコの血液循環
人間のように赤くはありませんが、ミジンコにだってちゃんと血液が流れています。背中のあたりではげしく動いている透明(とうめい)な部分がミジンコの心臓(しんぞう)です。体の表面を見てみると、ちいさな粒(つぶ)が体の中を通っていくところが見えます。このちいさな粒が血球細胞(けっきゅうさいぼう)です。ミジンコは血が通るための道である血管(けっかん)を持っていないので、心臓から送り出された血液は、殻(から)の内側を通って体中に運ばれていきます。
その6. ヨシの上の樹海 ツリガネムシのコロニー
夏に青々としげるヨシ、その表面はさまざまな生きものたちの生活の場となっています。 一見ゴミがまとわりついたような表面がもじゃもじゃしているヨシを拡大してみると、実はこのもじゃもじゃが生きものであることがわかります。 緑色で細長いミドロの仲間や硬いガラスの殻をもったケイソウの仲間、水中の微小な有機物をろ過して食べるツリガネムシの仲間、他にも昆虫や貝、プラナリアの仲間なども生活しているのです。
単細胞生物のツリガネムシは水質の浄化にも役立っていると言われており、ヨシの表面から軸を伸ばし、その先端にある本体である細胞で水中の微小な有機物を集めて食べます。
細胞先端に見える環状になった繊毛の列が有機物を集めるための水流を起こしています。
このグループはヴォルティセラと呼ばれ、収縮する軸を持ち、しかも縮むときは螺旋(らせん)状に縮みます。
生きもの動画シリーズ 2.田んぼの生きものたち
田んぼをにぎわす生きものたちには、サギのような大型の生きものから、ミジンコたちのようなごく小さな生きものまで様々なサイズの生きものが暮らしています。水が入るのはわずか1~2カ月ほど、短期間ではありますが、そこで一気に増え、次の年の準備をしている生きものたちを見てみましょう。
その1.ヒドラvsチョウヅメヒメウズムシ
小さなソーセージのような姿をしたチョウヅメヒメウズムシは肉食性で、自分より大きなミジンコの死体などを食べます。ヒドラはミジンコより何倍も大きく、生きているミジンコなどを触手で捕まえて食べます。それでは、チョウヅメヒメウズムシとヒドラが直接対決したら、どうなるのでしょうか?大きさのちがい、実に数十倍!チョウヅメヒメウズムシに勝ち目はあるのでしょうか??
その2.田んぼの動物の食事
夏のわずかな間しか水がない田んぼですが、そこにはとても多くの種類の生きものたちが現れます。たくさんの生きものがいると言うことは、そこでは激しい食う食われるの生存競争が行われているのです。
その3. 毒針でミジンコを襲うプラナリア -ドロタヒメウズムシ-
田んぼにいるプラナリア(扁形動物)の仲間のドロタヒメウズムシ。毒針を使ってミジンコを痺れさせて確実に捕まえて食べてしまいます。頭ではない口の位置にも注目です。あっという間にミジンコの動きを止めるハンターっぷりを見てみましょう。
生きもの動画シリーズ 3.水槽をのぞいてみよう
琵琶湖水系や世界の古代湖を紹介する琵琶湖博物館の水族展示、身近なところから、世界の様子までさまざまな淡水魚をみることができます。解説パネルでは書ききれないおまけ話とともに水槽の様子をみてみましょう。
その1. 春の内湖ヨシ原水槽
水族展示最初にある大型水槽、内湖とヨシ原を再現した水槽では、この時期に謎の網の筒が立つことがあります。
この筒は出始めたヨシの芽を魚から守るためのものです。この水槽にはワタカのような草食魚がいることに加え、やわらかいヨシの芽はコイやフナもよくつつくため、守らないとあっという間にぼろぼろになってしまいます。
新しいヨシを育てることで、ヨシの隙間に住む魚たちの住処がなくならないようにしているのです。
その2. バイカル湖水槽の魚たち
ロシアのバイカル湖博物館から直送されてくる生きものを展示しているのがバイカル湖水槽です。
バイカルアザラシがどうしても目立ってしまいますが、実はその手前の水槽にも、マニアックな魚やここでしか見られないヨコエビたちがいたりします。
中央を優雅に泳ぐのはバイカル湖に住むカジカの仲間Cottocomephorus grewingkiiです。カジカの仲間は浮袋をもたないため、基本的に水底でじっとしていますが、この種類は割とよく泳ぐ半遊泳性のカジカです。一緒に泳いでいるコイ科のPhoxinus phoxinusと比べて動きはどうでしょうか?
カジカの方は、じっとしていると沈んでいくため、大きなヒレを動かして沈まないようにしているところが見えます。再び泳ぐと言う進化をしたバイカル湖のカジカCottocomephorus grewingkiiですが、浮袋を改めて作ると言う進化は無理だったようで、浮袋の代わりに大きなヒレを発達させたといわれています。
その3. ウィンクするナガレヒキガエル
滋賀県で置物と言えば信楽焼のタヌキが有名ですが、琵琶湖博物館の中流域水槽にも置物のように動かないことで有名なカエルがいます。
来館者の方からも、本物のカエルなのか、と質問を受けるほど動かないときはまったく動かない彼らですが、実はちゃんと本物かどうか見分ける方法があります。
カエルが頬や下あごをふくらませている見たことはありませんか?カエルたちは、口の中を広げるたり閉じたりすることで、肺の空気を出し入れして呼吸しているのです。
そして常に体が湿っている必要があるため、特に乾燥しやすい目玉などはなめたりまばたきしたり、時にはウィンクをしたりと地味に動いています。下あごや目玉をじっと見ていれば、本物か置物か見分けられるのです。
その4. 足はどこにある?カイツブリの泳ぎをみてみよう
カイツブリは滋賀県の県鳥であり、琵琶湖の別名「鳰の海(におのうみ、にほのうみ)」の「鳰」もカイツブリのことです。 とても泳ぎのうまい鳥で、水中にもぐって魚をとったり、巣の材料に沈んだ水草をとってくることもあります。
スムーズかつすばやいこの泳ぎはいったいどうやっているのでしょうか。実はうまく泳ぐ秘訣は足にある水かきだけでなく、足の位置にあります。他の鳥と比べて、ややお尻側に足が寄っています。これにより体を伸ばした状態でも水を後ろへスムーズにかいて進むことができるわけです。ただ、歩きの方は少々苦手の様です。
その5. 古代湖の世界 マラウイ湖水槽のシクリッドたち
婚姻色でも出ないと色合い的に地味と言われがちな淡水魚たちですが、びわ博きってのカラフルな水槽が古代湖コーナーにあるマラウイ湖水槽です。 マラウイ湖は東アフリカにある古代湖で、マラウイ、モザンビーク、タンザニアの3か国に囲まれた湖です。面積は九州より少し小さいぐらいで、世界で9番目の面積を誇る湖です。
およそ200~300万年前にできたと言われており、その時にすぐ北側にあるタンガニーカ湖から侵入したシクリッドのうち1種が生き残り、現在までに800種を超える多様な進化を遂げたことがわかっています。
すぐ近くにあるタンガニーカ湖水槽と比べてどんな違いがあるか探ってみるのもいいかもしれません。
その6. 古代湖の世界 タンガニーカ湖水槽のシクリッドたち
タンガニーカ湖は東アフリカにある古代湖で、マラウイ湖のすぐ北側に位置しており、マラウイ湖のシクリッドたちの先祖が住んでいた湖です。世界で6番目の面積を持つ湖で、古代湖としてはおよそ2000万年前に成立したと言われており、バイカル湖に次ぐ世界で2番目に古い湖です。
こちらもシクリッドが多様に進化していて、およそ200種いると言われています。
シクリッドは子育てをする魚として知られており、口の中で保育したり、子どもたちの群れを親の魚たちがガードする様子を見ることができます。
その7. サイズと縞模様で見分けろ!ニッポンバラタナゴとイタセンパラ
3種の魚がいるのが見えるでしょうか。中央の石の上に陣取っていたのがカマツカの仲間の「ツチフキ」、そして平たいひし形の体が特徴のタナゴの仲間は実は2種います。
きれいな虹色のタナゴとやや黄色味がかった銀色のタナゴの2種に分けたくなりますが、分けるポイントは「体のサイズ」と尻尾から胴体中央へ延びる「黒い縦じま」です。
尻尾から胴体中央へ黒い縦じまのあるタナゴが「ニッポンバラタナゴ」です。サイズはおよそ4cmほどで水槽にはたくさんいます。
ニッポンバラタナゴのうち、きれいな虹色をしているのがオスで、黄色味がかった銀色をしているのがメスです。
もう1種はやや大型の「イタセンパラ」です。サイズがおよそ6cmほどでニッポンバラタナゴより少し大きくなっています。色は黄色味がかった銀色ですが、尻尾から胴体への縦じまがはっきりしません。
なかなか見分けるのが大変なタナゴ類ですが、共通の特徴として、二枚貝に卵を産み付けるというものがあります。産卵の準備の整ったメスからは長い産卵管が伸び、それを二枚貝の出水口に差し込んで産卵します。二枚貝には水を吸い込む入水口と水を吐き出す出水口があり、水と一緒に産卵管も吸い込ませればいいじゃないかと思ってしまいます。しかし、入水口には感覚器と思われる突起が多数あり、それに触れると産卵管を挟まれてしまう危険性があるのです。なので、タナゴ類は安全を取って出水口から産卵管を入れています。ちなみに産卵後およそ1日で産卵管は縮んでしまいます。
その8. サメとつくけどサメじゃない。古代魚チョウザメ
遥か昔、古生代や中生代の化石に同じグループの魚が見つかる、そんな古代魚のうちのひとつがチョウザメです。チョウザメの仲間は中生代の三畳紀、およそ2億5千万年前にはすでにいたとされている魚です。
びわ博水族展示の古代湖コーナーの最後に陣取るのがこのチョウザメがいる古代魚水槽ですが、多くの方が「サメだー」と言って駆けよるようにサメに似た姿をしているのでチョウ「ザメ」とついています。じゃあチョウの方は何かというと、体側面に並んだ鱗に蝶々に似た形の鱗があることに由来します。つまり、蝶型鱗を持ったサメのような形の魚ということでチョウザメとなっています。
このチョウザメ、サメとつくので誤解されがちですが、サメとはだいぶ違っています。サメは軟骨魚類なので全身が軟骨でできていますが、チョウザメは硬骨魚類なので硬い硬骨をもっています。また、サメと言えば鋭い歯で相手を食いちぎって食べるイメージがありますが、チョウザメは歯がないため、噛まれても食いちぎられたりすることはありません。ただ、にょっきりと伸びて餌を吸い込む口には少々驚くかもしれません。
その9. ヒゲの生えたアユ?アユモドキ
アユモドキは国の種指定の天然記念物にしていされている魚で、「アユ」とついていますが、「似ているもの」を意味する「モドキ」の名が示すようにアユとは遠く離れたドジョウに近い仲間です。ちなみにアユはキュウリウオ目、アユモドキやドジョウはコイ目です。
じっくり見れば口元のヒゲやつぶらな目と言ったドジョウ感の強い顔から「アユではないなあ」と感じられるかと思います。
しかし、ドジョウとして見てみると尾びれはウチワ型でなく、アユのような先端がくぼんだV字になっていたり、体型も円筒形というより左右につぶれたやや平たい形をしています。
「モドキ」と呼ばれる理由には諸説あり、「形や色がアユっぽい」「アユのような動き方をする」「手触りがアユのようだ」などと言われていますが、真相は命名者のみぞ知ると言うのが現状です。名づけた人に何かしら「この魚はアユっぽい」と思わせる何かがあったのでしょう。
ちなみに左右で泳いでいる小型の魚はタナゴの仲間でカゼトゲタナゴです。
その10. 【癒し】トンネル水槽をゆったり泳ぐ魚たち
琵琶湖博物館ことびわ博といえば、水族展示室のトンネル水槽を1時間46分にわたって長時間撮影!
癒しの音楽と共に、ゆったり泳ぐ魚たちを眺めながらひと時の休息を。
コロナが落ち着いたら、ぜひびわ博にも遊びに来てね!
その11. 【癒し】トンネル水槽をゆったり泳ぐ魚たち(番外編・お掃除中)
トンネル水槽ってこうやってお掃除するんです。
手作業でゴシゴシ。
情報誌 びわはく
琵琶湖博物館の研究をわかりやすくまとめた情報誌「びわはく」。
最新号も含めてweb上で読むことができます。
びわはく第5号【琵琶湖博物館開館25周年】:pdf
びわはく第4号【希少生物の保全】:pdf
びわはく第3号【ビワマス】:pdf
びわはく第2号【琵琶湖の珪藻】:pdf
びわはく第1号【イサザやホンモロコたちは、いつ誕生したのか】:pdf
琵琶湖博物館Web連載「ミクロの世界へ」
上の画像をタップして読みにいこう。
琵琶湖には、目に見えないほど小さいけれども、琵琶湖の生態系をささえる大きな役割を持った生きものたちがいます。琵琶湖に棲む、顕微鏡でないと見えないような小さな生きものたちの生態を、最新の研究を交えながら紹介します。
学芸員紹介
琵琶湖博物館で展示に、研究に明け暮れる学芸員の正体に迫る。
どんな人たちがいるのか見てみよう。
リサーチアーカイブズ:学芸員紹介
琵琶湖博物館リサーチアーカイブズ
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